感想ノート

観劇の感想など。一部ネタバレしてます。

BRAVE10

キャラクターの多い作品をどう舞台化するかっていうのが、2.5次元の難しいところだとはわかっているんだけど、キャラクターが多すぎて、とにかくキャラクターがなんでそういう想いに至ったのか、またどうしてそのキャラクターに好意を抱いているのかが全くわからないから置いてけぼりになった。一瞬原作を知らないからかと思ったけど、それでもやっぱり脚本と演出がもう少し頑張れたと思う。誰に主軸を置くのか、どの話に主軸を置くのかがブレブレすぎる。あれじゃ伊佐那海はただの頭弱い小娘だし、才蔵はただの中二病だった。半蔵なんてただのヒステリーだったし。伊達って何しに来たの??伊佐那海と才蔵のラブストーリーにするのか、仲間の話にするのか、才蔵vs半蔵にするのか、きちんと主軸を置いて話を作らないと、あの原作の長さ、キャラクターの量は無理でしょう。あと、私は初日に中央列のセンターで観たけど画像ぼやけててよくわからなかった。何のためにゲネしてるんですかね?千秋楽までには直っていたのかな?

でも、こんなに不満でいっぱいなのに、もう一回観に行こうかなとチケット譲渡を探したくらい(まぁ、結局行かなかったんだけど)キャラクターは生き生きしていたと思う。それは、演者がどう振る舞えば観客が喜ぶかとキャラクターの魅力がどこなのかわかっているからなのでしょう。キャストに救われた作品と言ってもいいと思う。

特に初めて拝見したけど、幸村役の伊万里くんはさすがよくいろんなところでお名前見るだけあって、まず立ち振る舞いが優雅でかっこいいし、アドリブも効いてて、最初この子が主役かと思うくらいよかった。反対に優一はいつまでたっても優一だなと思ってちょっと心配になった(笑)かなりベテラン若手俳優なのだから、もう少しがんばってほしい。殺陣のスピード遅すぎて、強い忍びには見えなかったかな。半蔵の遊馬くんはいろんな人に言われてると思うけど、セリフ回しもう少しがんばってほしいかな。あれ、これじゃキャストも褒めてない…?

なによりやっぱり脚本がよくない。あれじゃ、アナスタシアと甚八が何でくっついてるのかもわからないし、五右衛門はなんで小十郎が好きなのかもわからん。しかもほぼ小十郎はモブ扱いされてんのに。やるならやる、やらないならやらない。取捨選択をしっかりしてほしい。まあ、この演出家さん、銀英伝のときも、いきなりラインハルトとヒルダにキスさせて、意味のわからないラブストーリーにされたから、こんなもんだとは思っていたけど…。でも、キャスト先行でチケット取れなかったし、ほぼ完売だったし、割とチケ代も高かったし、最終的に期待値上げていたので…。わかってたけど、割と落ち込んだ。いろいろ書いたけど、なんかもう、伊万里くんかっこいいと、かりんちゃん可愛いと、チケットもぎってくれたスタッフさんがすごく愛想よかったのと、物販並んでいざ買おうとしたら販売物の一覧がなかったから買いすぎちゃった記憶しかない(笑)続編ありそうな終わり方だったけど、あの演出家なら行かないかな…。