感想ノート

観劇の感想など。一部ネタバレしてます。

雪組「るろうに剣心」

東京でチケット取れなそうだったので、ムラで観てきました。でも、なかなかチケットは取りにくかったです。雪組人気すごいですね。おどろいた。

観る前からビジュアルに関しても特に心配してなかったし、小池先生の演出だから上手くまとまってくると思っていたので、安心して観に行ったし、事実その通りでした。原作ファンの方からも中々好印象で嬉しい。宝塚が高クオリティの2.5次元物を出すことで、どんどん他の2.5次元物のクオリティも上がるといいなぁと思います。

以下、役別。

緋村剣心(ちぎさん)
ちぎさんは正統派の美人さんなのでとにかくビジュアルは最高。加えてキャラクター理解度もすごく高くて、おろ?は超絶可愛い。ちぎみゆの人気度を考えれば、きっと長期政権になるはず。ぜひ、たくさん原作物もやってほしい。軍服も見たいなー!!なんなら制服も見たいなー!!
ただ、薫より10歳以上の年上であるようには見えなかったのと、過去の心の闇をあんまり感じなかったというのは突っ込んでおきたい。これは、宝塚の薫ラブを押し出す脚本なのもあるし、私が巴役の星乃あんりちゃんラブなのもあるんだけど、もう少し巴のことを引きずってほしかったというか、剣心の心の傷を感じたかったかな、なんて。その方が、薫のまっすぐさに救われたことがわかりやすいと思う。

神谷薫(ゆうみちゃん)
私、正直薫って苦手なキャラクターなんですよ。たぶん、女が苦手な女のキャラクター。だけど、ゆうみちゃんだと嫌味にならない不思議。伯爵令嬢のコリンヌもそう。悪く言えば偽善者に見えてしまうキャラクターを、本当の善人に見せてしまうのは、ゆうみちゃんの演技力が高くて、そしてその演技力に私達観客が信頼を寄せているからだと思う。
物語の終盤、望海さんと対等に歌いあってるところも、さすがだなぁと本当に思った。全てにおいてレベルの高い娘役さん。ちぎさんはいい嫁もらいましたね。

加納惣三郎(だいもん)
正直むちゃくちゃなキャラ設定だと思う(笑)だって他の男を愛してる女を好きになって振られて逆恨みして明治政府の転覆を狙うってちょっと理由が弱い。個人的には戦争に巻き込まれて愛する女を失ったとかのほうが、剣心と重なってよかったのにと思ってしまった。でも、こういうむちゃくちゃなキャラ設定に説得力を持たせてしまうのがだいもん。アルカポネのときも思った。すこし語弊があるけど、だいもんは駄作を名作に持っていく力があると思う。声量のある歌声、ダイナミックなダンスと、意志の強そうな目。それらに引き込まれてるうちに、キャラクターにも引き込まれてしまう。ううむ、かっこいいなぁ。

斎藤一(さきちゃん)
ビジュアルは思ったよ以上にぴったり。仕草もかっこいい。特にタバコの扱い方がかっこいい。惜しむらくは声かな。もう少し、もう少し低ければ…!あと、なんか剣心と仲よさそうで可愛かった。斎藤編も観たいよね。新撰組時代についてあんまり描かれなかったから、まだまだかっこよさを出しきれてない。さきちゃん主演で斎藤過去編どうですか?だめですか?

武田観柳(しょうくん)
二枚目なのに三枚目がうまいしょうくん。今回、いちばんおいしい役だったと思う。ソロの曲は、笑わせにかかるところ日替わりなことにびっくり。しょうくんの知らない魅力、たくさんあるんだなって思った。ちなみに、赤べこで列に割り込めって、小さくズルしてるところが好き。部下に予約させればいいのに。かわいい。ガトリング撃ってたけど、全然当たってないし、背後ガラ空き。かわいい。

蒼紫様(かなとくん)
美しいね…本当美しいね…。思わず舞台写真買ってしまいました。最強最強と語彙の少ない蒼紫様。いちいちポーズをつける蒼紫様。あっさり味方になってくれる蒼紫様。上演時間と主要キャストの多さの関係で、確実に割りを食ってしまい、なんか頭の弱い子みたいになってたけど、それでも客席を夢中にさせるなにかがあった。ビジュアルがいいけど、ビジュアルだけではないと思う。スタイルもいいけど、スタイルだけではないと思う。声もいいけど、声だけではないと思う。まあ、要はぜんぶかっこいいということですな。美しさって本当に武器だと改めて思う。

雪代巴(あんりちゃん)
何を隠そう、私はあんりちゃんが好きだ。とにかく顔が好きだ。声も好きだ。笑顔も好きだ。とても好きだ。
その前提があるとはいえ、とても儚くて美しい、すごくいい巴だったと思う。剣心の頬に傷をつけるときの美しさといったら…。だから、余計に思うんですけど、ちょっと端折り過ぎだよ〜〜!!あと、今守るのは巴じゃなくて薫ひとりって歌はどうなのよ〜〜!!ここだけは、私大変気に入らないです!!なんかちがう!ちがうよ小池先生!!巴という暗い過去があるからこそ、薫という明るい未来が輝くんですよ。どっちかじゃないと思うんです。これも、せあくんとあんりちゃんで過去編やってください!

とりあえず、役別についてはこんな感じで終えておきます。
ここからは私が宝塚について思うこと。

私は宝塚がとても好き。だけど、かなりライトなファンです。入出も滅多に観ないし、ご贔屓はいるけど、ファンクラブの会員でもない。だけど、そんな私でも受け入れてくれる世界だと思っている。いつもそこにある安心感がある。多種多様なファンの方がいて、どんな愛し方でもいいんだと思える。だから、とても好き。
とはいえ、本当は影ではいろんなことがあるんだと思う。トップになれるなれない、路線に乗る外れる、あとはきっとファンの中の争いもあるんだと思う。
だけど、それでも私は宝塚が好き。劇場の雰囲気が好き。キャトルで溢れんばかりのグッズに囲まれて買いすぎちゃうのが好き。毎年部屋がカレンダーだらけになるのも好き。始発で当日券並ぶのも好き。
好きな子が路線から外れて泣く日もあるけど、退団して泣く日もあるけど、それでもずっと変わらないなにかがある。日々変わっていて、忙しない。だけど、劇場はいつもあそこにあって、いつもと同じ拍手を今日も贈れると思うだけで、胸が締め付けられるくらい愛しい気持ちになる。宝塚も変わってきていて、これからも変わっていくと思う。それでも、あの劇場の中にある美しい部分はきっと変わることはないと思う。

次は東京で宙組。たのしみだなぁ。